IP,TCP,HTTPなどの言葉を目にしたことはありませんか?この場合の最後のPは「Protocol」の略称です。
じゃあいったい「プロトコル」って何なの?って知らない方は思うんじゃないでしょうか。
インターネットやネットワークの話をするときにプロトコルという言葉はよく使われるので簡潔に説明してみたいと思います。
プロトコルとは?
一番最初にわかりやすい表現をするとプロトコルというのは「約束ごと」というとらえ方をするとわかりやすいと思います。
コンピューター同士での通信をするとき、AというコンピューターとBというコンピューターがあったとします。この時にAとBが好き勝手に違う約束ごと(取り決め)で通信をするとうまくデータのやり取りができなくなってしまうのは想像がつきますでしょうか。
これをコンピューターではなく人間に置き換えてみます。
AさんとBさんがう一緒にいます。Aさんは日本語しか話せず日本語しか理解できません。BさんはBさんでスペイン語しか話せずスペイン語しか理解ができません。この場合、確かに2人一緒の場所で会話をしているので意志の送り合いはできているのでしょうが、意志の伝達ができているかというとできていませんよね。この時の言語自体を「プロトコル」として意味を理解するとわかりやすいと思います。
さて、コンピューターに戻りますね。コンピューターの場合人間とは違い、応用力や理解力をもっていないのでこの「約束ごと」をしっかりと定義してあげなければ通信というのが成り立ちません。この約束ごとをプロトコルと呼んでいるのです。ちなみに現在のネットワーク通信の主流のプロトコルは「TCP/IP」です。私たちが何気なく日本語で人と会話するときと同じように「TCP/IP」という約束ごとでコンピューター同士はデータをやり取りしているということになります。
代表的なプロトコル
昔はこの約束ごとがはっきりとしてなかったのです。標準化が行われておらず体系化されていない状態で、コンピューター通信をしようとしてもプロトコルの違いによって通信ができないことが発生していたようです。メーカーが独自の約束ごとを取り決め発表していたので様々な約束ごとが乱立した結果利用者にとって不便な環境が出来上がってしまっていたのです。
この問題を解決するためISO(International Organization for Standardization)というところがOSI(Open Systems Interconnection)という通信体系を標準化したのです。日本語にすると国際標準化機構というところですね。しかし、このOSIプロトコルというのは現在普及しておらず、このOSIプロトコルを設計する際の指針として「OSI参照モデル」というものがあるのですが、これは現在のネットワーク通信では通常あまり使われていません。
では何が現代のネットワーク通信で使われているのかといいますと、先ほども記述したTCP/IPです。TCP/IPとはプロトコルのセットのようなもので DARPA(Defense Advanced Research Projects Agency=アメリカ国防高等研究計画局)の研究がもとになって登場しました。TCP/IPは大学や研究機関、IT業界が中心となり標準化が推進されてきており、IETF(Internet Engineering Task Force)によって提案、標準化作業が行われています。
TCP/IPは現代のデファクトスタンダードとなっているのにもかかわらずISOが取り決めている国際標準の規格ではないというところが面白いですよね。今回はプロトコルという言葉の突っかかりと解きほぐすことが目的なので詳しくは記述しませんが、先ほど紹介したOSI参照モデルやDARPAモデル=TCP/IPモデルなどがあるのですが、それでもっと長い話ができたりします。
TCP/IPの仕組みに関してはもっと複雑でとても1記事では記述できませんので興味のある方は調べてみると興味深いと思います。
主な参考文献: